古書肆・梁山書林では、文学関連の研究書や歴史関連書籍を中心とした商品を取り扱っております。電子化や活字離れなど「読書する」という文化に新しい波が次々と押し寄せてくる中にあって、一古書店として何ができるかを真剣に考えています。私たちの扱う商品はゴミとして扱えばすべて「ゴミ」に他ならないものです。しかし、尊重すべきものとして扱えば、同じモノが全く別の価値を持ち得ます。そんな商品を扱う仕事なのだという自覚を持ち、まず私たちが商品を「ゴミ」にしないよう努めて参ります。そうした思想を持ちつつ、皆様には「古くて新しい」本との付き合い方を当書林からご提案致します。
では、その「古くて新しい」本との付き合い方とは何か。それはとりもなおさず「本を蔵する」ということに他なりません。「え?それだけ?」とお思いになるかもしれませんが、「本を蔵する」ということがどれ程大事かということを少しお話しさせて頂きたいと思います。
現在、本を大量に(例えば1万冊以上)所蔵する「蔵書家」と言えるような人が一体どのくらい居るでしょうか?多分ほとんど存在しないのではないでしょうか。仮に、それが学校で人にものを教える程の人であっても、ほとんど居ないように思われます。私も古書店を運営しながら書籍の買取に色々のお宅にお伺いすることがありましたが、その折りに感じたのは1950年から60年代にバリバリと仕事しておられた方々の蔵書に対する意識の高さでした。地方の一教職員であっても、また会社の営業マンであっても、それなりのスジのそれなりの蔵書を形成しているのです。ここで一言断っておきますが、その蔵書を処分されるご本人なりご家族なりをここで非難しようという言うのではありません。それはそれぞれのご事情あってのことでしょうし、こうしてお売り頂けることがなければ、我々の商売はけっして成り立ちません。私共が問題としたいのは現代社会が「次世代の蔵書家の育ちにくい環境」にあるということの方なのです。
例えば「断捨離」などの言葉に代表されるように現在では「なるべく何も持たない」ことにひとつのステータスがあるように思います。ガランとしたモデルルームのような部屋が「オシャレな部屋」と考えられている向きが一方で一般化しているように思われるのです。そこに「娯楽の多様化」や「趣味に回すだけの経済力がない」などの問題が重なり、未来の蔵書家となるような若者が一層少なくなる傾向が強化されているように思われます。そして、それは書籍に止まらず、あらゆる物を持たない層が増加するのではないかということが懸念されるのです。
そうなると、今後の子供たちの「教育」に良くない影響を与えるのではないかと私は考えています。ヴァルター・ベンヤミンという人物をご存知でしょうか?彼は「アウラ」ということを考えました。「アウラ」というのは「オーラ」のことです。彼はこの「アウラ」について、大雑把に言うと次のようなことを考えていたようです。「あらゆる物は、それを見る人とその物との関係性の中で、それを見る人に重大な影響を与える可能性がある。この影響を与える力をアウラ(オーラ)と呼ぼう。」というような考えです。これは言い換えれば「物のない環境においては、人はアウラ(オーラ)による影響を受けない」とも考えられます。だとすれば、多くの物から刺激を受けて成長していく過程にある子供たちの生活環境に「アウラを持つかもしれない可能性」を含む「物」が無いというのは、どう考えても教育的に健全な状態であるとは言えないと私たちは考えていますし、このような環境で育った子供たちが次の時代を担う蔵書家に育つとは到底考えられません。
こうした思想が、私たちが考える「本を蔵することの大切さ」に直結して行くことになるわけです。そして、この考え方に賛同して頂けるなら、そこには自分が「読む読まない」に関係なく「ただ本(物)を蔵する」ことを是とする発想として各家庭で蔵書を持とうという機運が醸成されるのではないかと思うわけです。更に、こうして各家庭に蔵書が形成されれば、多くの本がゴミになることなく「まばゆいアウラを放つ可能性」を秘めた貴重な品物として次代の蔵書家を育て、凋落の一途をたどりつつある古書業界を救ってくれるのではないかとも考えている次第です。
私たち古書肆・梁山書林はこうした未来の蔵書家の育成を助け、その未来の蔵書家のために彼らが蔵するための書籍を次代に残すことを旨として毎日の業務にあたりたいと考えています。
オンライン古本屋にとってばかりでなく、古本屋にとって仕入れは何よりも大切なことです。本を売って下さる方がいなければ古本屋は一日たりとてやってはいけません。また、幾星霜を様々な人に想われ、様々な人の手を辿ってめぐる
本たちの命を一日でも延ばしてやりたい!
当店ではそんな考えのもとに買い取りをいたしております。基本的に当店ではお客様の損にならない限り、買取拒否をしない方針です。「こんな本は駄目だろう」と言う考えは当店では禁物です。そんな本の中にこそ価値あるものが隠されていることもあるのです。まずはメール等でご連絡下さい。誠実に査定、買取いたします。
1・FAXか電子メールで主な品物のリストを送信。
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2・見積もり金額の内容を了解いただければ宅配便で当店宛に発送。
※一旦はお客様負担でお送り頂き、後ほど品物の査定額に計上致します。
※但し、2000円迄/1件です。
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3・到着後、実際の査定額を通知。
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○了解いただければ郵便小為替・銀行振込等で送金。
●納得いただけない場合は宅配便で返送。
※返送の際の送料は当店負担です。
※お送り頂いた際の送料はお客様負担のままとなります。
◎近郊の方はできる限り直接に買い取らせて いただきたく存じます。
※愛知県豊川市から半径90km以内が目安です。
◎ お願い ◎
まずは電子メールで、どんな本を売り頂けるのかの概要をお知らせ下さい。
その際にはお客様のお名前と郵便番号・住所、および電話番号を必ず添えて下さい。冊数が多い場合は全体の冊数とともに、主な品物のみで構いませんので、リストにして頂けると助かります。リストはタイトルや著者名、またはジャンルやカテゴリを大まかにお知らせ下されば結構です。
例:江戸川乱歩の本27冊
例:岩波文庫黄帯14冊
例:カメラ関連本20冊
メールを頂戴致しましたら凡その見積もりをお出ししてご返信致します。お値段に納得頂ければ品物を当書林宛にお送り下さい。結果、お客様にとって査定額が十分でなければ、その時点で基本的に商談はおしまいとなります。その場合、特にその旨のご連絡は必要ございません。なお、直接お会いできない方は買い取りに際して運転免許証等の身分証明書が必要になります。コピーしたものをご同封下さい。
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